むくみは、顔、頭部、手足、お腹など全身に起こります。
これは皮膚の下に余分な水分が停滞している状態です。
皮下には毛細血管やリンパ管が網状に張り巡らされて、そこから酸素や栄養素、老廃物などをやりとりしています。
その過程のやりとりがうまくいかないと、細胞間液が増えてむくみになるのです。
この細胞間液を増やしているものは血管からにじみ出た血漿(けっしょう)です。この血漿がなんらかの原因で血管内に戻らないと、むくみになるのです。
むくみには器質的(器官の性質)な病気もありますが、多くの場合は体液の循環がうまくいかない機能的な障害で起こります。
長期間の立ち仕事やすわり仕事の場合など、抗重力筋(重力に対して抵抗する大きな筋肉)の筋力が低下したり血液の循環が悪くなったりして起こります。
また、塩分などの取り過ぎで細胞外液が濃くなり、浸透圧が高くなって細胞内液が外に出てしまうことでむくみが起こることもあります。
むくみには、押してすぐ戻るものから、なかなか戻らないもの、押してもへこまないものもあります。すぐ戻るものは心配ありません。
しかし、なかなか押しても戻らないもの、押してもへこまないものは、臓器の疾患が考えられます。
全身がむくんでいる場合は、肝機能障害や貧血、
顔や下肢の場合は、腎臓病、
足首や下肢は、心臓病、
下半身は、ビタミンB1(脚気)などが考えられます。
また、押してもへこまないパンパンのむくみの場合は甲状腺機能低下症、膠原病(こうげんびょう)、薬物の副作用などが考えられます。
通常、健康な子供にむくみはありませんが、子供にむくみが表れた場合には、腎臓病や心臓病、あるいは、栄養失調などをまず疑います。
病気が原因でないむくみの場合は、食事、運動、ストレッチ、マッサージなど日常生活の工夫で解消することができます。
長時間同じ姿勢でいる人のストレッチとしては、下肢の場合は、ふくらはぎ、アキレス腱を重点的に、手の場合は、上向きに寝てバンザイしていれば、比較的早く解消できます。
動脈硬化が進んでいる人は、そうでない人より、むくみが取れるのにも時間がかかります。
血管を健康に保つ事が、一番の予防に繋がります。病的なむくみの診断は脚のすねの内側(骨の上)を指で押しても、はっきり指のあとがついてくぼんで戻らないものをいいます。
むくみと同様に、女性の約半数が冷え性に悩まされているそうです。
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手足の温度が冷えているタイプ(筋力がない運動不足型)
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手足の温度は正常なのに冷えを感じるタイプ(自律神経失調型)
まず、血液は栄養分を全身へ運び、心臓に帰ってきます。
優先的に脳が一番酸素などの栄養(全体の約6割が脳で消費)が必要になります。
次に女性の場合だと下腹部への栄養が優先となり、手や足は後回しになります。
動脈とは、心臓から全身へ血液を送る血管で、自動収縮(血管自体が働く)
静脈とは、全身(末端)から心臓へ帰る時に血液を送る血管で、他動収縮(筋肉の運動で働く)筋肉が硬かったり筋力が弱かったりすると、血液が心臓に戻りにくくなる。
対処法
1、手足が冷えているタイプ
腹巻き(下腹部を温める)
足先じゃんけん(筋トレ)
前屈運動(ストレッチ)
2、冷えを感じているタイプ
夏場の冷房などで本来持っている体温調整機能が働かなくなって悪寒を感じている状態
・サウナなどで汗をかく、
・乾布摩擦 ※化学繊維でなく「麻、綿」で手足先、首周り、背中。
「冷え性なんです。」と言いながらお腹をズボンや下着で締め付けている人をよく見かけます。ホースの真ん中を踏んで水が出にくいと言っているようなものです。
また、靴下を何枚も履いて寝る人がいますが、足裏に汗をかいて、逆に冷えてしまう事があります。靴下ではなく、レッグウォーマーでふくらはぎを温めるようにしましょう。
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