浅口市遙照山より幻の吉備大島を望む

玉島の西方に広がる地域・・旧浅口郡。そこはどんなところだったのでしょうか。今回は旧浅口郡にスポットをあてて紹介していきましょう。平成10年当時では旧浅口郡は船穂町・金光町・鴨方町・寄島町・里庄町の5町から成り立っていました。現在(2021年)では船穂町は倉敷市に、金光町・鴨方町・寄島町は合併して浅口市に、里庄町は浅口郡にそれぞれ変わっております。

この地域には古代から人類が生活を営んでいました。そこには喜びや悲しみ・苦しみなど私たちの祖先の思いが数多く堆積されています。今私たちがこの地に立つときそのような思いがなんとなく伝わってくるようなに感じられるのは私だけでしょうか。

このシリーズでは資料からの裏付けに立ったご紹介よりも、むしろ伝承や民話を元に、いにしえの生活を大胆に空想し、自由な発想をもって展開してみることにしましょう。さて、本シリーズの名称にもなっている、「吉備大島」ってそんな島があったかな?。実際そのような島は現在存在していません。

しかし、いろんな文献から推測して昔々巨大な島が浅口の沖合に存在していたと思われるのです。それはどこにあってどんな形をしていたのか、どのような人が暮らしていたのでしょうか。またそれはいつ頃消滅したのでしょうか。それらを伝承や文献で確かめることにしましょう。といっても豊富なデータが有るわけでもありません。あくまでも想像の産物としてお読みください

【注】 市町村の表記は「平成の大合併」以前の行政区画になっており、現在とは異なっています

第1回 幻の大島は何処にあった? 文献から探る吉備大島の姿とは? 2022/02/21
第2回 地名にまつわる伝承・伝説 大島周辺に残る地名の謂われを探る 2022/02/21
第3回 源平時代の大島と周辺 平家と縁の深い浅口郡を検証する 2022/02/21
第4回 慈覚大師と阿倍晴明 平安時代多くの伝説を残した二人の人物 2022/02/21
第5回 大島傘踊りと細川通董 戦国の世、この地で生き抜いた風雲の武将 2022/03/07
第6回 浅口郡8郷の流転 荘園制度が崩れ、大名による領地化が進む 2022/03/07
第7回 大島水道の消滅 大島が終焉を迎えたのはいつ頃? 2022/03/07


浅口郡は蒼海中に点在した島にして、神代記にイザナギ・イザナミ2尊の経営し給える大島は海中の島なり・・・(中略)・・・平安時代の後期には平家の荘園となり、応仁の乱以降は細川氏の荘園となる。 (浅口郡誌より)