手 延 め ん の 秘 密
手延そうめんの歴史
手延そうめんのルーツは中国で、奈良時代に日本に伝えられたと言われています。
しかし、こねた生地を棒状にして植物油を塗布し、時間をかけてひたすら延ばして細い一本のそうめんに仕上げる技術は日本で発達した独特ものだとおもいます。
日本だけで造られ、これほどまでに日本人に愛されている手延そうめんは、先人たちの知恵と努力、またそれを継承してきた職人たちのお陰と感謝しなければなりません。
近年はその技術を利用して、手延ひやむぎや手延うどんのも製造されるようなりました。
ただ、手延めんは太くなるほど非常に高度の技術必要であることを理解してない素人が簡単に製造、販売して信用を落としているのは残念なことです。
手延べそうめんをごぞんじですか?
皆さんはごく当たり前にスーパーやデパートで、手延そうめんを買い求めておられますよね、でも本当にこれが手延そうめんか考えたことありますか?。
少なくとも、職人が心をこめて手造りした物ではないことはたしかですよ、もし職人が自信を持って造ったものなら「茹ですぎに注意してください」などとは決して書きません。
機械そうめんと違って、茹ですぎに強いのが手延そうめんの特徴ですから。
昔ながらの手延そうめんは消えてしまったの
無くなったわけではありませんが、お店で手に入れるのはちょつと難しいでしょう。
販売価格を下げるために生産者の価格は十数年上がらず、すでに、職人がプライドをもって仕事をできる限界をこえてしまったからです。
その結果、機械化して生産性を上げることと、パートさんによる人件費削減で製造コストを下げ「品質を下げ」ることで流通に対応しており、これがお店にならぶ商品の正体です。
昔ながらの手延そうめんは、残念ながら製造直売でしかてに入らないでしょう。
手延そうめんの流通経路について考えてみよう
昔は地方の特産品であった手延そうめんも、今では日本全国で生産されており、それらのほとんどが旧名産地に集まり、いろいろとお化粧をして各地の問屋から量販店を経てお客様にとどきます。
もとの生産者価格にたいして販売価格は二倍ていどですからまあいいとしても、贈答品になると同じものが生産者価格の三倍、物によつては五倍で売られているのをみると、売り手の強欲ぶりに腹が立つより馬鹿な客を笑ってしまいます。
良いのを安く買うにはどうすればいいでしょう
お客様が手延そうめんを購入される方法は大体は次の四通りだとおもいます。
ア.スーパーなどの量販店
イ.各地の問屋、大手メーカー、産地組合などの通販
ウ.生産者、産地組合や大手メーカーに納入業者の通販
エ.生産者、すべて直接販売、製造直売、通販
品質、価格の両面からみるとおおむね次のようになるかとおもいます。
アとイの場合、何時どこの誰が造ったものか消費者には分かりません、あまりあてにならない品質表示を信じるしかないし、所詮寄せ集めですから。低品質、高価格 判定×
ウの場合、量産品ではありますが生産者がはっきりしている点だけがまあ評価できるかもしれません、価格は業者に遠慮してかあまり安くない。 低品質、高価格 判定△
エの場合、職人には個人差「個性」があるので相性がよけれは一番安心できるでしょう、ただし、いくらこだわりの逸品でも価格に注意。 高品質、低価格 判定○
く(KU)と、う(U)の違いについて考えてみよう
長い伝統の日本の手延そうめんも、職人の技術に危機が迫っています。
価格のみで品質について評価をしない今の流通業者の下では、職人が自己の能力を生かして生産活動ができません。
時代に対応してゆくためには生産性をあげ、利益を確保し、規模を拡大してゆくしかありません、職人が商人に変身してゆかなければならないのです。「職(KU)人が商(U)人」
伝統の技がすたれ、素人が造ったものや中国産の手延そうめんもどきが大手を振ってまかり通るのを見るのはちょっと寂しいですね。
自分の目で手延そうめんを見極めよう
極寒製とか古品とか蔵囲いなど色々表示があります、昔は自然が相手でしたからそれなりに意味がありましたが、今は製造技術も進歩しており何の意味もありません、本当は出来たてが一番美味しく、時間が経つほど味はおちます、信用のあるところでできるだけ新しい商品を購入しましょう。
良い手延そうめん求めるなら最低これだけは確認しましょう。
○ 変な油の匂いがしないこと、変な匂いがする物は決して食べないこと。
○ 茹で上がりは光沢と透明感があること、最初から白いものよくない(不味い)。
○ 茹でたそうめんを冷蔵庫で二日間保存しべたつかず光沢や弾力があって、十分食べ られること、二日位でべたついたり簡単に切れるようではよくない。
○ 食べごろの茹で時間を計り、その二倍の時間茹でてみる、柔らかくはなるが光沢や弾 力はあまり変化なく十分食べられるようであればよいでしょう。
○ 外で天日乾燥したものは酵素や表面の蛋白質(グルテン)が紫外線で傷んでいる可能
が高いので、もし分かれば避けること。
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後楽園
倉敷の花嫁
備中国分寺
奥津渓谷
驚いたことに味の検査はないのです。
ワインやお茶をはじめ、食品なら受入検査には必ず味(食味、食感、味)の検査が行われます。
しかし、そうめんに関しては、多くの生産者が組合や産地の問屋にそうめんを納入する際の品質検査に味に関する検査がありません、線条の太さと白さだけです、いわゆる目視検査だけなのです。
大勢の生産者がばらばらに作業をするのに作業標準も技術標準書も何もない、普通の人にはとても信じられないでしょう。
特選品とか上選品とか表示して高く販売してますが、しょせん見てくれだけのちがいです。、
和気閑谷学校