「天使同盟」 について


 中古のゲームを買うのが趣味で、よく千円以下のゲームをあさっている(千円という値段に特に意味はない)。
 それで『天使同盟』というゲームを見かけていて、何となく気になっていた。大抵四千円とかいう値段がついていたので、手を出す気にはなれなかったけど、中古で高いというのも一応の評価基準としてはあった。
 ところが、最近その『天使同盟』が480円で売られていた。もちろん、すぐに買った。中古屋の値段というのは、かなりアバウトなものがある。
 単に題名が気に入ってただけなのだが、やってみるとなかなか好みに合っている。
 いきなり戦闘から始まる。SLG(シュミレーションゲーム)で、主人公達はロボットに乗っている。「まあ、戦闘から始まるのはよくあるよな」と思って、適当にやっていたのだが(僕は大体、ゲームの説明書は少しやってから読む)、……わけ分からん。
 「移動」「攻撃」という基本は分かるのだが、「攻撃」が最初分からなかった。攻撃アイコン(このゲームはマウス対応になっている)を選ぶと接近戦やら銃火器といったアイコンが現れる。さらに銃火器がいくつかに分かれていて、それとは別にマウント攻撃というのもある。
 ステータスもわけが分からなかった。EN(電力)とかSHT(火気命中率)とか、ちょっと見ただけではわからないものが多い。結局、最後までわからなかったステータスもある(装甲のAPとか)。
 そして、敵は強かった。
 どうせ最初だから楽に勝てるだろ、と思ってたら(慣れてないせいもあったけど)なかなか敵が死なない。おかげで一回やりなおすはめになった。おまけに動きが遅い。
 この辺でゲーム概要を紹介しておくと、『天使同盟』はTGLが98年四月にPS用に発売したゲームで、「ギガント」と呼ばれるロボットを操って戦うSLGである。近世(と中世の間くらいの)欧州的雰囲気で、古き伝統を守る騎士団士官学校の生徒たちが主人公である。戦闘→ストーリー→戦闘の繰り返しが基本で、その間に物資の補給があり、装備を強くしていく。
 最初の戦闘が終わってストーリー画面のグラフィックを見たとき、僕は「ワンダープロジェクトJだ」と思った。JはSFのソフトで、機械の少年ピーノを育てていくゲームだが、そのグラフィックとほぼ同じだった。ドット絵のキャラクターが平面で小気味よく動くのだが、いくつかの基本パターンをうまく利用していて、ちょっとしたアニメーションくらいには見ることができる。
 僕はこのグラフィックにけっこう感動してしまった。スタッフが同じなのかは知らないが(「J」はエニックスが作っていた)、まるで同じものだった。
 キャラクターや設定もよかった。軍隊が拡大して実質的な意味は失ってしまった「騎士団」とその士官学校の少年兵たち。鬼教官がいたり、晩飯ぬかれたり、仲間とふざけあったり。
 ギガントのステータスの煩雑さもわりと気に入っていた。エンジンやら装甲やら電力、重さ制限。
 けれども、うまく入ることはできなかった。
 どうしてかは、僕にはよく分からない。文句をつけるところはある。戦闘とストーリーがほとんど切り離されてしまって(戦闘中にストーリーが展開することがほぼない)、次のストーリーを見るために戦闘があるような分離状態になっているとか、操作が煩雑で面倒だとか、時々状況が飲めない設定とか。
 けれど、そういう問題ではない気がする。もっと混乱した何かだった。
 僕にはそれが、いまだに分からないでいる。「つまらない」でも「おもしろい」でもない、「わからない」状態。判断が下せない。それは、ただの迷いなのかもしれない。でも、多くの迷いがそうであるように、それは客観的には馬鹿馬鹿しいことであっても、主観的にそんな余裕はまったく持ちえるものではない。
 同じようなことは『ブレスオブファイアX』でもあった。「空を目指す」という詩的ともいえそうなコンセプトだったが、最後までうまく入れなかった。
 そういう時、僕はいつも「自分に対する信頼」のようなものをなくす。