「メタルマックス」 について


 戦車が特別好きというわけではない。
 メタルマックスは91年にファミコンから発売された戦車ゲーム(?)で、93年にスーパーファミコンで「2」が、95年に一作目のリメイクの「リターン」が発売された。で、最近になってGBAに移植されて「2改」が出たが、なんかごたごたしてリターンのほうは発売中止になっている。
 非常に「自由度」の高いゲームである。
 特にストーリーが設定されているわけでもないから、次にどこ行けとか、ああしろとかいうのがない。「1」ではさらにはラスボスもいない(それらしいのはいるけど……ノアとか)。親父に話しかけて家に帰ることにすればエンディングに入る(そのあと続くみたいになるけど……)。
 八台ある戦車を探し出すのとか、賞金首モンスターを倒すのとか、レッドウルフの話を見るのとか、グラップラーをやっつけるのとか、ともかく放っておいてもいいのだが、だからこそ探す価値がある。
 最近のゲームは容量がでかくなってることもあるのか、本編とやりこみ要素が別々に存在している場合が多い。メタルマックスは、ある意味で後者の要素の方が大きく存在している、というかそっちを軸に構成されている。
 「物語性」と「自由度」は実際、両立が難しい気もする。だから最近のゲームは物語とは別のところ、例えばステータスとか攻撃方法とかに自由度を加えてそのバランスをとっているのかもしれない。
 メタルマックスがうまいのは、自由度を主軸にしつつ、物語性のバランスも良いところである。主人公は基本的にしゃべらないし、仲間も偶然出会うような演出がされている。どこに行こうと勝手だが、行く先々で小粋な(?)設定が見えてくる。戦車の装備も半分おもちゃのような楽しさがある。やっていてストレスになるほど面倒な操作もない。
 ……とはいえ、このゲームを好きなのは結局は単純に音楽が良いという理由のような気もする。

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