「ヒソカは何故、レイザーの球を右手で受けたのか?」 について
かなりどうでもいいことではあるのだけれど、どうしても気になっていたので、一応書いておくことにする。
……話は17巻、ヒソカがレイザーの球を受ける場面。 一応、おさらいとして状況を説明しておくと、「グリードアイランド編」の「ドッジボール戦」でのこと。 「一坪の海岸線」を手に入れるため、ゴンたちはゴレイヌ、ツェズゲラチーム、ヒソカと協力体制を敷く。 獲得条件のスポーツ対決で早々に四勝したが、そこでゲームマスターの一人であるレイザーが、八対八のドッジボールを提案。この試合に勝ったほうが、自動的に対決全体の勝者となる。
試合開始から、ゴンがレイザーの球を真正面から受けて吹き飛ばされるところ。 そこから、ゴレイヌがレイザーをアウトにしたと思いきや、という場面。
レイザーの攻撃ターンで、キルアに向かってボールが投げられる。
で、レイザーのシュート回転の球を外野が受けて、すぐに投げる。
この場面では、ヒソカがこう避けて――
こう捕る――
ここは、何というか、かなり「不自然」に思える。 右から来た球を、体勢を崩しつつ(体をやや右に捻って)躱し、そのあとすぐ、左からボールの投げ返しがある。 この状況なら、普通は左手で受けるところだろう。 右手の位置がかなり遠く、わざわざボールを受けるには距離がありすぎる。腕をクロスさせるにしても、別に右手で捕る必要はない。バンジーガムは足でも使えるくらいだし、右手でないとまずいわけでもないだろう。
しかしここ、実は右手で受ける必要があったのである。
それは、ビスケが最後にレイザーを残してアウトを取る場面。
ここでヒソカが「右手で投げられる」状態だと、実はレイザーの攻撃ターンが回ってこない。
16巻を見てのとおり、バンジーガムを使えばノーリスクでアウトが取れてしまうのである。 そうなると、展開的にかなり盛り上がりに欠けることになる。
芸が細かいというか、ちゃんとツェズゲラに解説もさせている。「ヒソカはおそらく もう投げられまい」「いや……右手は捕球すらままならないだろう」と。 一連の流れが相当に自然なものなので、そもそも違和感はないのだけれど、作者が意図的にあの場面でヒソカの右手を使えなくしておいたのは間違いない。 その代わりというべきか、右手での捕球にはやや無理が感じられる。
あるいは、レイザーにカーブを投げさせるべきだったのかもしれない。そうすれば、左から来た球を避けて、右から投げ返された球を、右手で受けることができる。 ただこれだと、絵的に締まらなかったのかもしれない。避け方についても同様。
ドッジボール戦は緊張感や、両陣営の攻防、あくまでルールを守った上で念能力が活用されている点――そういう何やかやで、たぶん一番好きな箇所だと思う。 で、何度も読んでいるうちに、ふと上記のようなことを思ったわけである。
……と書きつつ、右手で捕るのは案外、それほど不自然でないような気もしてきている。 実際のところは、どうなんだろう?
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