標識

車で道路を走っていると大きい交差点にはたいてい道路標識があるので、そう道に迷うことはないはずだ
たが、海は違う、ほとんど海路標識らしきものはないのだ

私が始めて自分のボートで海に出た時、家内の弟と二人で出航したのだが、予定は笠岡諸島の北木島を回って帰る予定だった、ところが天気は
いいし、エンジンは快調なのでついでに、香川県の佐柳島を回って帰ろうと言うことになった
佐柳島は細長い米粒のような形の島で、ボートで一周したつもりが360度回って来た方向とは逆の四国へ向かっていたのです、いくら航行しても
北木島が見えてこないのです、不安になって魚網の端に浮いているブイを見ると、詫間漁協と書いてあるではないか、なんじゃこりゃー四国ジャー
と言うので、恥ずかしながら、近くで漁をしている漁師さんに船を近づけて聞きました「すみません、岡山はどちらの方角ですか」「あんたらー岡山から来たんかなー、ずいぶん遠くから来たなー、ほれ、あれが瀬戸大橋じゃからこっちが北じゃな」と教えていただき元、来た笠岡港へ帰りました
48リッターの燃料タンクと、予備のガソリン40リッターをほとんど使って無事帰港しました

2度目は、家内の弟が家族と友達で海水浴に福山沖の宇治島へ行くと言って出航したときです、10時過ぎたころ家に電話が弟からかかってきて
「兄さん、宇治島はどっちの方角かなー」と言うのです「今どこにおるんじゃー」というと白石島の近くだというのです、ゲストの方はさぞ不安だったと
思いますが、「白石なら210度の方角じゃ」と教えたら無事行けたらしくそれ以後電話はありませんでした

今の船はそのときから3艇目で大きさも21フィートから25フィートになりましたが、マリンコンパスと、ハンディーGPSで方位と自船位置、速度などを
計測しています
いつもよくクルージングなどする海域は、GPSなしでも島などを見ればわかりますが、雨のときとか、霧が出たときなど視界がわるいと方向が狂う
のでGPSは必要な航海計器です

僕のおばあちゃんが教えてくれた言葉に。聞けば一時の恥じ聞かずば一生の恥じ。というのがありましたが、恥ずかしい思いをして漁師さんに
聞いたおかげで、ガス欠で漂流して、海上保安庁さんのお世話にならずに済みました

YOUZOU